02:お兄ちゃんなんだから



案内された教室の窓から、何となく晴れてきた空を見上げた。一年
間この教室に通うことになった。一年間、なんて進級できれば、の
話だが。なんて、初っ端から縁起の悪いことを考えていると、ふい
にドアががらりと開き、思わずそちらに目を遣った。入学したての
小市民の性だね。
で、思わず目を見張った。
「朝の…」
小さくポロリと言葉が零れた。
相合い傘、カップル…とかじゃなくて、水色の髪のヤツ!と心の中
でつながった。相当興味深くて、衝撃だった。女の子がどんな顔か
チェックし忘れるぐらいに。近所にもこういう色の髪したおニイさ
んいたし、ピンクとか赤だとか…探せば結構いるけどさ。…なんだ
けど別格だったんだ。あんなにキレーな髪。
オレは染めてるから比較の対象にはできないけど、例えばウチの姉
ちゃんだってあんなにキレーな髪してない。なんて考えたりして。
髪フェチなのかな?オレ?

小さくため息を吐いて机に突っ伏した。あの水色の髪を見てたいっ
て目が疼くから、ひとまず強制終了。変態だと思われたら困るし。
何たって隣の席だからな。
隣の…
隣の席!?
がばっと上体を起こし、右に顔を向けた
「や!おれサイバーっての!キミは?」
「は?」
唐突に、水色は“サイバー”と名乗った。
サングラス越しで、こっちからではよく判らないが、目が合ったん
だろうか。にしても目が紫外線に弱い人ってサングラスしてなきゃ
いけない。とか聞いたことあるけど…室内ですよ?ここ。
「名前。キミなんてゆぅの?」
水色…改め“サイバー”は、にこにこと笑いながら、いや、ニヤニ
ヤかもしれないが、何分サングラスの奥が見えないモンだから…と
にかく、子供くさい笑いを浮かべて、くいっと首を傾げた
「リュータ…だけど」
“サイバー”は手を差し出した
「よろしく!リュータ!」
いきなり呼び捨てかよ!!
「ん、あぁ…よろしく」
とりあえず手を取った。
で、そのままこっちに引っ張った。そうすると、“サイバー”は小さ
く、驚いたように声を発した
「なぁ、サイバーくん?」
「 “くん”はいらない。サイバー。」
自分に“くん”付けされるのが嫌なのか。成る程。いきなり人の名
前を呼び捨てで呼ぶわけだ。
「サイバーってカノジョと一緒にいる為にこのガッコ来たわけ?」
「カノジョ?」
なぜだか、不思議そうに首を捻った
「相合い傘で登校してたじゃんか。」
「あぁ!かごめね!そうだよ。かごめと一緒にいる為!」
「カノジョ…じゃないのか?」
「ウン。兄妹みたいなモン。」
そんなこと言いながら、実はふたりとも…とかいうオチだろ?高校
ってのはホントにいろんな人がいるモンだね。…とか思ってみて、
“サイバー”に阻まれた。
「かごめにはパパがいるかンね…」
ふいに陰った空のせいでサングラスの奥が見えた。笑っていたけど
…それは、悲しそうで、何か泣き出しそうで、
見てはいけないものを見た気がした。
「なのに好きなのか?そのコのこと」
余計なことを訊いたかと、とっさに視線を逸らした。
「だったらなんだ?」
彼は笑った
「おれは“おにいちゃん”なんだから…だから、かごめのことは応
援するし、…それに護らなくちゃ。近くにいなきゃ護れないだろ?
だから同じ学校に…ここに来たんだ。それだけだよ。…なんて笑い
話みたいだけどさ。」
それは涙をこぼしそうな表情に見えた。

おれには何も言えなかったので
「しかたない。サイバー、おれが友達になってやンよ。」
「は?」
とりあえず友達になってやることにした。サイバーはおれの(高校
でできた)友達一号。おれはサイバーの(高校でできた)友達一号
に違いない。…なんて言い方ガキくさいけど。





さて…こんな感じで、… いつになったらくっついてくれるんだろう…(端ッからそれかよ!

幼馴染みを守るために同じ高校入る人って実際いますよ?
ほら。





本・漫画・DVD・アニメ・家電・ゲーム | さまざまな報酬パターン | 共有エディタOverleaf
業界NO1のライブチャット | ライブチャット「BBchatTV」  無料お試し期間中で今だけお得に!
35000人以上の女性とライブチャット[BBchatTV] | 最新ニュース | Web検索 | ドメイン | 無料HPスペース