03:黒くんと桃ちゃん



サイバーの家に招かれたのは、入学式があったその週の土曜日だっ
た。学校の前で待ち合わせて、そこからサイバーの案内で、彼の家
に行く。出逢って間もないのに、どうしてこんなにうち解けられた
のかは、お互い首を捻るところであろう。
12時半に待ち合わせて、現在6分前。
「リューターッ!」
「オゥ!…えぇぇぇ!!?」
声の方に振り向いたオレが見たものは、世にも恐ろしいサイバーの
私服だった。
いつものサングラスに、胸に大きく「サ」の刻印。そしてズボンの
上にはいてる、その赤いのはブルマですか?
オレは未だかつてこんな変人に会ったことはない。そう確信するほ
どの、とにかくおかしな格好だった。家はヘアサロンで、そっくり
な兄さんが一人いる。と、きいていたが、いったいどんな家なのだ
ろう…。まさか兄さんもこのテだったり…
「どうした?何苦い顔してるんだ?」
「ちょっと…お前の、あまりのハイセンスさにたじろいだだけだよ」
サイバーは「だろ!」と立てた親指をつき出し、にかっと笑った。
何についての「だろ!」なのかは解らなかったけど、サイバーが前
に、「おれのセンスが理解できないヤツは嫌いだ」と言っていた、そ
の“理解できないヤツ”の気持ちはよく解った。
ただし、その正義の味方的コスチュームは、とても彼に似合ってい
ると思った。…というか、コイツ以外の人間には着こなせないと言
うか、まぁ、似合っていることに変わりはなかったので、とりあえ
ず口にしてみた。
「似合ってるよ。ソレ。」
「え、あ…ありがとう!」
頬を赤らめて、それがあんまり嬉しそうで、ちょっと面食らった。
どうやら、このセンスの理解者は“かごめ”さんを含んで、そう多
くないらしい。
じゃあコイツ、自称正義の味方のクセして嫌いな人間多いのか?と
か思ってみたり。実際そんなこと無いんだろうけど。
そして、オレはサイバーに案内されるまま、彼の家へ向かった。



「ここがおれん家。」
「…ウソ」
「ウソついてどうすんだよ」
「だって」
今時知らないヤツの方がおかしいぜ?だってここは…
「お前の兄貴って…もしかして“マコト”って名前だったり…」
「当たり!よく知ってんね!」
オレは凄いヤツと友達になってしまったらしい。こいつがあの“カ
リスマ美容師”の“マコト”さんの弟…!?
姉ちゃん…「あと一週間でカットやって貰える」って、目、輝かせて
言ってたっけな。あぁ…自慢してやりてぇ!
「すげぇ!なんつぅかスゲェよサイバー!!」
オレはサイバーの手を取った。刹那、
「Hold up!手を上げろモップ」
首筋にヒヤリと何かが当てられ、男の声が突き刺すように響いた。
オレはとっさに両手を上げ、横目で後ろに立つソイツを睨んだ。
「モップ…って言われるの嫌いなんだけど。せめて天パって言って
くれる?」
「もう呼ぶ機会はない…」
ぐっと首筋にあてられたものに力を込められる。
「せーちゃん!何すんだよ!!」
「せ…せーちゃん!!?」
「さいば…なんだコイツは…?」
知り合いかよ!!



「貴様がリュ−タくんか…」
「アンタ、サイバーのイトコなんだ。似てないっスね」
さっきサイバーのイトコ、つまりコイツ、セイバーとやらに突き付
けられていたものは、“いい人光線銃”だったらしい。銃だよ?銃!
それを思うと、どうも仲良くする気は起きない。いや、当たっても
別に痛くはないとは聞いてるけどさ。結構怖かったんだぜ?アレ。
それに向こうも気を許すつもりなさそうだし。サイバーはそんな状
態を知ってか、お茶を取りに行ったまま戻ってこないし。友達の家
に遊びに来て、そのイトコとドロ沼状態(?)ってどうよ?
お互い話すことなんて無いらしく、沈黙が続く。銃を突き付けた理
由くらいは聞いときたいところだけど。
…にしても、コイツ、コギレイな顔してやがる。まぁ、この際、フ
ァッションセンスに感じるサイバーと同じ系統感はおいといて。サ
イバーの上を行く薄さの唇。細めのあご。色合いの薄い、透き通っ
たサングラス越しに見える、切れ長な目。…これはどうやらサイバ
ーとは色が違うらしい。どっちもサングラス無しじゃ見たこと無い
から、実際、何とも言えないところだけど。
「何をじろじろ見てる」
「別に。整った顔してんな…と思っただけだけど?」
そいつはカァァっと顔を紅潮させた。
「ありがとう…」
口を尖らせてうつむいた彼に、サイバーが重なった。
「やっぱ似てるんだな。アンタとサイバー。」
彼はオレを一瞥すると、
「…違うさ。」
そう言って、何とも言えない表情を浮かべた。
「おまちどう!!お菓子切れててさ!」
お茶と買い物バッグを持ったサイバーが帰ってきた。わざわざお茶
請けを買いに近くのコンビニまで行ってたらしい。呆れながら買い
物バッグから出されたお菓子に目をやる。

ギャンブラーZチップス(カード入り)×5袋。

「あ、それこないだ27袋にしてやっと“神風トオル”のキラ(ホ
ログラムカード)出た。」
「マジかよ!!」
「…。」
やっぱり同じだと思った。





ウチの2Pサイバーは銀髪です。黒くんと桃ちゃん、ということだったのですが…
セイバーの容姿についてはあとで加算されたものもあったりで…ヒィヒィ;
ちなみにあごの細さは、ユーリ・ミサキ<セイバー≦その他ぐらいなモンで、
ものっそい僅かです。唇の薄さもそんな感じです。
髪についての描写がなかったり、そんな僅かな違いを見つけたり…
是非深読みしてください。(破裂。オイー!!!

ちょっと西部劇風なふたりを見てみたかったんです…





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