11:放課後の空



最近、どっと疲れを感じる。理由は解ってる。それから、髪が伸
びてきたと思う。入学当初みたいにぱつーんとならない程度に切
ろうと思う。前髪なんかピンとのばすと鼻の頭ぐらいまであるの
思う。襟足もわさわさと長く伸びてきてる。早く切りたい。でも
切れない。今はちょっとタイミングが宜しくない。彼女に振られ
たばっかりだ。これじゃ失恋したみたいだろ?
いや、実際してるんだけどさ…。
一番最近の彼女…つまりさっきまでの彼女は、実は変な人だった。
オレを振っておいて、失恋したのは自分の方だと言って悲しげに
笑った。
それから、まるでオレが悪いみたいじゃないか…と返せば、悪い
のも自分だと言った。恋をしていたのは自分だけで、オレは端か
ら恋してないんだから、失恋もしてないんだってさ。オレにはな
んだかピンとこなかった。付き合っているときは確かに恋をして
いたと思う。それでも彼女は、そんなことはない。と言い張った。

例えば誰かを思って、不意に泣きたくなったり、胸が苦しくなっ
たとする。その誰かのために、不満になったり満たされたりする
として、その心は不純。でもそれは美しく、そして悲痛。
それが恋。

彼女はそんな感じのことを言った。
オレはそれなら確かに恋なんてしてないと思った。彼女にだけじ
ゃない。ずっと。何年も…生まれてから今まで無いかもしれない。
すると彼女は、それも違うと言った。オレはちゃんと恋をしてい
て、でも、その人が誰なのかは解らないとも言った。オレはずっ
と誰かを見ているらしい。それから、彼女はもっと早くオレと出
逢いたかったと言った。 ”その人”と出逢うより前に会いたかっ
たと言った。「私がリュータ君を好きになった時にはもう遅かっ
たの」と彼女は去った。

ため息をひとつ。
「サイバーよぉ…結局ダメだったよ…」
情けない声しか出ずに、それでも愚痴はこぼれた。傍らのサイバ
ーは夕日の色に飲み込まれていく青空を見上げている。時折眉が
ぴくりと動くところを見ると、恐らく慰めか、弁明か、いずれに
せよ言葉を探しているのだろう。
もしかしたら最近学校にあまり顔を出さないかごめさんのことを
考えて、オレと自分を重ねていたのかも知れない。
「昼、長くなったね…。」
考え込んでいた割には、というか、普通に、とても頭の悪い言葉
だった。
「そうだな。」
とても頭の悪い言葉だった。

3日ぶりに顔を合わせたかごめさんにサイバーを引っ張られてい
ったのは、それから3分とたたないときだった。


「なんだかなー…」
放課後というの青春の空の、甘酸っぱさのさじ加減なんて適当な
もので、ただ朱く染まり行く青空に堪らなく切なかった。





何とかカタストロフィは避けたい0103号者です。
というかこのまま行って20で終わるんだろうか…;;;不安すぎる…
補足としては、リュータの彼女は別に誰って事もありません。






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