19:クレイジークレイジー



おかしいじゃないか。こんなに胸が高鳴るなんて。友達に…たか
がヤロウに!
リュータはベッドの上に寝転がり、自分の体を抱きしめ、ぎゅっ
と目を瞑った。目をまるくしたサイバーの表情が目に焼き付いて
いる。それだけじゃない。鼻にシャンプーの香りが、上半身には
彼の重みが、右半身には体温が、耳には声が、そして何より、そ
の行為自体が、脳裏に焼き付いている。
リュータはサイバーの髪を撫でた。言ってしまえばそれだけのこ
とだ。男同士でやったって、それが慰めという前提があっての行
為なら全然問題はないはずだ。かごめが中退してから少し経った
が、サイバーはまだなんだかヘコんでいるように見えた。
だから、抱き寄せて、髪を撫でた。
「サイバーのアホ」
確かにリュータはその髪にある意味憧れてはいた…つまり少々の
やましいような気持も持ち合わせていたが。
でもてっきり、いつもと同じように「触んなっつってんだろ!?」
とか嫌がられると思っていたのだ。それなのに、彼…サイバーは
一瞬、こちらを見上げて目をまるくしたかと思ったら、俯いて、
そのまま体重を預けてきたのだ。その仕草を何と表現すべきか。
それは少女のように、可憐でしなやかで、流れるようで、…思い
返せばぞっとするくらい自然で…綺麗だった。
そこまで考えてみて、思いっきり頭を横に振った。一体自分は何
を考えているのだろう?という、これは一種の自己嫌悪。
「狂ってる…」
そう、何もかもが狂ってきている。いつから狂い始めたかは至っ
て明確。入学式の日。サイバーに出逢った日。
思考を巡らしながら、投げられた荷物に目をやる。優柔不断にス
トラップのついた携帯は、2番にダイヤルするだけでサイバーに
繋がる。
…電話かけたところで何言うんだ?
リュータは体をひねって向きを変えた。多分、好きだなんて言え
ない。というか、むしろ考えた時点でアウトだが。
…ちょっとまて!
「恋愛…の類になるのか…?」
だったら大変なことだ。自分、ホモじゃん。サイバーは友達。ま
ぁ、ちっとは可愛い顔だけど、体型は全くの男。パイプみたいな
胴と出っ張った喉仏。丸みのない手、棒きれみたいな脚。自分と
大差ない。…大丈夫。恋愛対象なんかに成り得ない。

きゅうっと胸の辺りで何かが蠢く。
これが恋なのか?この苦しさだったのか?
蠢く何かを花に喩えるなら、もう咲く準備は出来ている。あとは
晴れの日を待つだけだろう。

自分で何を考えているのか解らない。さっきから支離滅裂すぎて
これが自分のことなのかだって危うい位だ。


外線
サイバー
ダイヤルします
--- ---- ----
トゥルルルルル、トゥルルルルル、トゥルルルルル、トゥルルル
ルル、トゥルルルルル、トゥルルルルル、トゥルルルルル、トゥ
ルルルルル、トゥルル
「はいもしもし!何?リュータ」
「今…時間…いいか?」
「遅いことさえ気にしなければね。何?」
えーと…とか、あー…とか、うーん…とか、口をついてでるのは
そんなことばっかりで。何も考えないで電話したわけではないが
何を考えて電話したわけでもないわけで、当たり前なのだが。
「リュータ?」
サイバーのさっきの行動をどう解釈する?
「なぁ?もしもーし」
だって髪はサイバーの逆鱗に当たるだろう?
「うんじゃないよ…。」
満更じゃないのかな?もしかして?でもなぁ…
「リュータ?」
いつもと同じ調子だし…
うーん…
「時間無いから明日にするわ。っつーわけで明日泊まり来い。」
多分こんな風に、命令口調で彼に何かを言うのは初めてだ。
「あー…う…ウン母さんにきいとくね。」
ブツ。ツー、ツー、ツー…

「意気地なし…オレ…」
こうやって先延ばしにすればするほど明確に、事実が真実と叫び
を上げる。
時は止まったまで、堂々巡りをすることも出来ず、練り上げられ
た思いから自分を守ろうと、時に錯覚も作った。…すぐに壊れた
けど。
おかしいなぁ…こんな筈じゃなかったのに…




意味もなく、涙、一滴。





やべぇ…あと何回も欲しい…;
一発で気付けた人に拍手送りたいのですけど、リュータのでセリフが二言目から、
アタマ取っていくと「クレイジイ」です。…でもレが無理矢r
えー…マジであと1個しかないのかよー…うだうだ




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